スポーツ振興くじ(TOTO)の対象を拡大する改正法が昨年12月に成立し、日本国内のスポーツ賭博の選択肢が増えることになった。今後、バスケBリーグの試合を対象とした新商品が追加される。
日本のバスケットボール界を盛り上げ、見込まれた売上によりスポーツ振興助成金への貢献も期待されている。
日本のスポーツ振興くじは、サッカーくじ、あるいはtotoとして親しまれてきたように、サッカーに賭けられる唯一の選択肢であった。今回の法改正により賭け対象にバスケットボールが加わることで、サッカーくじの枠組みから広義のスポーツべットに一歩近づいたといえるだろう。さらに、今月から日本のGoogleアプリストアでギャンブルアプリが解禁された。日本の「Google Play」から競馬、競艇、競輪、オートレース、サッカー振興くじ、および宝くじ(公営)のアプリをダウンロードしてプレイできるようになった。
コロナ禍にも関わらず国内最大の公営競技である競馬は堅調だ。昨年2月から約7か月間の無観客開催を強いられ、ウインズなどの事業所で馬券発売も中止されたが、ネットでの馬券購入が躍進した。2020年の総売り上げは、2兆9834億5587万2000円で、前年比3.5%増の9年連続で売上増を記録した。JRAのネット投票による売り上げは前年比35.6%の大幅増となった。
新型コロナの影響で公営競技のインターネット投票サービスが飛躍的に普及したとはいえ、日本のスポーツべットは、依然として諸外国と比較すると非常に特殊に映る。日本では、明治時代に遡る現行の賭博罪(刑法185条)が存在する故に、スポーツ振興くじの他、競馬、競輪、競艇、オートレースに限って公営競技として特別法のもとで合法化されている。他方、海外では、スポーツ賭博といえば、一般的にブックメーカーのスポーツべットを指す。イギリスやヨーロッパを拠点とする主要な海外ブックメーカーは、近年、店舗型からオンラインへの移行を推進し、多言語ベッティングサイトを運営している。これらのネットギャンブルサイトは、国境を超えて全世界を視野に入れた市場を拡大を図り、アジアやアフリカからのユーザーも受け入れている。
現在、オンラインカジノの他、日本の中央?地方競馬、相撲、Jリーグやプロ野球のオッズを提供しているブックメーカーも複数あり、日本からの利用者も着実に増加している。なかには、日本人スタッフが常駐した日本語サイトの他、日本円や仮想通貨の使えるブックメーカーもあり、インターネットさえあれば、日本人でも気軽にスポーツべットが楽しめる環境がある。海外ブックメーカーを使えば、日本では限定されたスポーツべットの選択肢が、一気に広がるのは事実である。
朝日新聞の最新の調査によると、海外オンラインベッティングサイトへの日本国内からのアクセス件数も上昇傾向にある。海外ブックメーカー大手「bet365」の2020年7月度の月間アクセス数は、約1320万を記録している。日本からの利用者数増加の要因としては、仮想通貨の普及やSNSを介したマーケティングが容易になった点が挙げられている。